承認欲求についての読書と、反抗期について



少し前ですが、『「認められたい」の正体』という本を読みました。

インターネット上、特にオタクのコミュニティでは「承認欲求」は頻出のワードだと思います。
しかし、「承認欲求丸出しでみっともない」だとか、「いや、承認欲求は誰にでもあるし、あって良い物なのだ」とか、ふんわりとした意見が飛び交うだけという印象です。


一方で、この本はその「承認欲求」について、
歴史的な発生要因や日本とキリスト教圏の環境の差、成長の過程なども踏まえながら、
真剣に考察された本になります。
また、目指すべき解決策も描かれています。

この本の中で書かれた解決策とは、「一般的他者の視点」を確立する事、です。
これは、自らの行為に向き合い続けることや多様な他者の立場について考えることによってようやく得られるものです。
その視点を持てた時、人間は「私は妥当で正しい行いをしている」と考えることができ、承認不安から解放されていく、という未来が示されています。

要するに、自分が自信を持てる価値観を持つ努力をしていくことが、承認欲求の呪縛から解放される手段、という事なのだと思います。


***

ところで。
私はここ数日、マイブームな言葉があり、それは「反抗期」です。
私が語る反抗期とは、別に「反抗期はダサい」とかいう小馬鹿にしたような話ではなく、
人間の自我形成にとってどうしても必要不可欠な時期という真面目な話です。
人間は親という、自己主張をして大喧嘩(をしても甘えることが)出来る相手に対して自分の思っている事やイライラを実際にぶつけることで、最初は癒着している親と子の自他境界を引き、自分の考えを固めていきます。
「親にこう言われるけど、これって私の方が間違っているのかな…?」と自分の中に親への不満をため込んで悶々とするだけでは、反抗期を乗り越えたとは言えないでしょう。実際に言葉にして、怒りや自分の考えを主張する「経験」こそが必要なのだと思います。

自己主張期という言い換えもあるようです。


憶測ですが、「承認欲求から解放される」ことと「反抗期を無事終える」ことは、概念としてかなり似偏った部分があるのでは、と思います。


承認欲求は、何を判断基準にして善悪を判断すればいいのがわからないので、とりあえず手近な人間の反応を伺いたいという不安を現した概念。

反抗期は、親や教師が与えた価値観が信じられなくなり、他人の指図を受け付けがたく攻撃的にも感じ、それに刺々しく反応してしまったり、自分と他人を比べてしまう時期。

どちらも、周りの意見や顔色によって傷つきやすく精神が非常に動揺もしやすい、という共通点があります。

(私見ですが、最近言われるHSPの概念なども、まだ反抗期を終えられておらず人の顔色を伺ってしまう、不安定な人間を表現した概念だと思っています。
 ただ、HSPをそれを「気質的な物」として固定化し、スピリチュアルや高額医療に繋げる概念のため、個人的にはかなり警戒心を持って見ています)


反抗期と言うと10代の多感な時期に済んでしまうイメージですが、反抗期をずるずると先延ばしにしてしまい、20代、30代、40代になってしまったという人も、世の中には沢山います。
また、自分が反抗期を終えないまま子育て期に入ってしまい、子育てで余裕がなくなったため、良い母親でありたい自分と周囲からの冷たい目に板挟みになり、反抗期の苦しさを知る、というパターンもあるようです。
人間は、極度に精神不安定で自分の事で手一杯の時期を乗り越えることで、結果的に「他人の目なんて心底どうでもいいわ!!!」という明るい開き直りを手に入れられるのだと、思います。


「反抗期がなかった」という事が美談のごとく語られることがありますが、反抗期がない人間は自我を確立できず、自他境界がまだ引けていません。
甘えられそうな相手には際限なく甘えてしまったり、怒りをぶつけてしまったりします。
逆に一方的に甘えられることに無頓着だったり、他人に怒りをぶつけられても反論できなかったりします。

ここで徹底的に「いやそれ甘えだし不当ですよ」と反論することで、自分を守れた! という経験は少しずつ積みあがっていくのだと思います。
それは決して相手の意見を変えさせるのが目的ではなく、自分のベストを尽くした、自分は自分を守るために実際の行動をして自分を守ることが出来そうだ、という感覚が、反抗期を終わらせて自立していくために必要なのだと思います。


他人事のように語っていますが、
私自身も自他境界がちゃんと引けていない、反抗期が終えられていない人間な事を
七転八倒しながらひしひしと感じています。
頑張ります。


***

p.s. ブログがあまりにも事実の羅列であり人の心がどこにあるのか、
目的意識とは何なのか、がわからない文章になっているので、
ゆくゆくはこの傾向を修正したいな… と思いました…   おわり

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