映画「THE BATMAN-ザ・バットマン-」感想・備忘録

「THE BATMAN-ザ・バットマン-」を見てきました!!!!
春になった瞬間に行動力が湧き出て来たので無事見に行くことが出来ました。
たのしー!!

私はアメコミ系の知識が全くなく、実写作品や映画自体もあまり見ないので、
まるっきり知識ゼロでの視聴になりましたが、めちゃくちゃ楽しめました。
暗かったけど…めちゃくちゃ暗かったけど……。


物語として退屈がない展開かつ、オタクに良く効く暗さだったので満腹になりました。
よくも一作品にこんなに詰め込んだな~! と思うくらい色々な要素が詰め込まれていました…。





***

以下に、感想を自分用の備忘録のために羅列します。
特にネタバレなどの配慮はしていませんのでご注意ください。







・主人公が暗い!!


 バットマン、「正義の味方」感があんまりなくて、ザ・不審者。
 警察の現場検証にもコスプレ姿のまま立ち会っている。口下手。不審者。
 背中で語る男に見せかけて、単純に自己表現が下手そう。
 マスクを脱いでも不審者感が凄い。クマが凄い。この人ちゃんと寝てる? 寝てなさそう。
 マスクを被っていると体格のいい偉丈夫感があるのだけど、外すと線の細い不健康な青年感が出るギャップ。
 血色の悪さがリアルに陽に当たってないタイプの人で(自分がそれ)、夜型の私は親近感が湧いてしまう…。


・主人公の戦い方が暗い!!


 ヒーローっぽい派手な戦い方とかはなく、小道具がちょこちょこ出てくるくらいで、あとはボコボコ殴ってることが多い。チンピラか?
 その割に、敵は普通に銃弾で向かってくるのに妙な自信があり臆さない…。(覚悟のキマった狂人である)
 銃弾を弾くような恐ろしいスーツを着ているが、顎あたりは丸出しで本当に良いのだろうか。私だったらビビってしまう。

 あとなんていうかそれはリンチ(私刑=法律の裁きではなく、個人がその権限なく人に罰を与えること)では?
 でも最終的にヤバいやつを銃で殺そうとする人を制止する理性はあってよかった。


・ライティングが暗い!!!


 主人公が活躍するのが夜間なので、自然と画面が常に暗い。
 代わりに印象的な光源(街明かり、ランプの明かりなど)が常に配置されていて、主人公のシルエットが際立つような、非常に印象的な画面作りになっている。
 没入感がある。ホラーみもある。

 個人的に、炎をバックに歩くバットマンの画が最強感すごくて好き。
 炎と逆光の組み合わせは最高だと信じてやまない。


・敵キャラが暗い!!!


 黒幕が「何もこんなに陰キャに設定しなくても…」というくらいやることなすことが最悪。
 主人公が暗いから敵はもっと暗い。この世の闇をぐいぐい可視化してくる。
 黒幕以外の敵キャラも色々最悪。
 主人公も(善人寄りではあるが)挙動が暗いので、(ちゃんと倫理観の正しさが感じられる作品であるが)、作品の倫理観の平均値が著しく低く見える。
 執事と、あと相棒の警察官が作品の中の良心。


・ゴッサムシティ、治安悪!!!!


 背景美術にいつも実在しそうなリアリティがあって凄いが、なんぼなんでも治安が悪い


・主人公の人格に問題あるっぽさ


 情報欲しさにヒロインを危険な目に遭わすな
 助けて貰ったらちゃんとありがとうって言え
 ムカついたら睨まないでなんか言え
 生きてて嬉しかったらまず一言目からそう言え


・色々アップデートされてて現代の映画だね感がありストレス少ない


 ヒロインが、耐えられない事をちゃんと耐えられない!!! ってブチキレられる人で良かった……


・直接的流血表現などが少ないのは(苦手意識がある人間としては)よかった


 実際には暴力や残酷描写で構成されているのだが、主人公が拳で殴るだけで刃物とかは使わないタイプであったり、上手い事画面を暗く落としたりピントをずらしたりしてあるので、暴力表現にヒェッ…とならずに済んだ
 ただ、途中で犯人から送られてきた拷問をされてる人の映像を地上波テレビが流すような場面があって、そこだけ「オイオイオイオイ」と思った(自分がこれはきついと思ったのと、よりによってそれを地上波で流すな!!! という二重の意味で)
 逆に言うとそれ以外の所では「ウワッキツ…」とはならなかった 内容のわりに見やすい演出だった…


・バットマン、案外高い所苦手


 空とか飛びそうなキャラに見えるのに落ちそうでしんどくなってる場面が多くて大変そうだった
 (ツイッターで白人富裕層で高い所にいる彼に対する比喩である、という考察も見た)

 あと飛ぶの死ぬほど下手くそ描写が可愛かった
 なんかすごい良い感じに飛べそうなキャラに見えるのに、ハイテク機器を使っても実際は命がけだ…


・善人とは何か、善行とは何か、なすべきことは何か


 真実を知る過程で揺らぐ主人公よかった
 マスクを被った状態での、一人前の大人という雰囲気よりも、中の人は親を亡くした現在進行形で苦しんでいる青年という面が強くて、それがビジュアルの雰囲気とも合致していてよかった。

 あとこれだけバリバリの不審者やってても、(最初に触れたけど)犯人は法の下の裁きを受けさせるという考えなのが良かった
 感覚が現代的である

 そして主人公が、最終的に「復讐」から「目の前の人を助ける」方に行動がシフトしていくの良かった



***

三時間ずっと良質な陰の気を吸引できたので満足しました
主人公が凄く陰キャだった…
よかった

字幕で見たので、次見る時があるなら吹替で見ようとするかもしれない
あまりにも言葉少なな主人公だけど、吹き替えになったらどのくらいセリフの印象が変わるのだろうか…

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